韓国の月探査、2020年目標にこだわるべきでない(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.06.14 09:24
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2020年に月で活動する韓国の月着陸船と小型無人探査車ローバー(左)の想像図。着陸船は韓国航空宇宙研究院が、ローバーは韓国科学技術研究院(KIST)が開発中。
8日午後5時45分。全羅南道高興(コフン)外羅老島の東海岸にある羅老宇宙センターでサイレンが鳴った。しばらくすると、ロケット発射台の下側の建物から轟音と同時に白い巨大な水蒸気雲が噴き出てきた。海辺のカモメの群れが一斉に飛び立った。水蒸気雲は75秒後に轟音が終わるまで、発射台の後方にある海抜380メートルのマチ山の高さまで上がった。
轟音と水蒸気雲を出したのはロケットエンジンだった。韓国航空宇宙研究院(航宇研)が2020年の月探査に使用する韓国型ロケット(KSLV-2)の核心、75トン級液体ロケットエンジンの燃焼試験が行われたのだ。75トンロケットエンジン燃焼試験をメディアに公開するのはこの日が初めてだった。航宇研によると、この日75秒間行われたロケット燃焼試験で、燃料の灯油30ドラム(5925キロ)、酸化剤の液体酸素など計94ドラム(1万8750キロ)があっという間に消耗した。また、ロケットエンジン用冷却水9万リットルが1秒あたり1200リットルの速度で蒸発し、巨大な水蒸気雲を作り出した。3000度まで上がるロケットエンジンの発射台の設備を冷ますためにまかれる冷却水から発生した水蒸気だ。ドキュメンタリーやニュースで見る宇宙ロケット発射場面で大量に噴き出される白い煙のようなものだ。