【コラム】ソウル大学の傲慢と屈辱(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.05.23 09:11
最初は地方の国立大学教授の愚痴だと思った。聞いてみると劣敗感の発露も、根拠のない主張でもなかった。ソウル大学の肺腑をつついていた。「私もソウル大を出て米国で博士を取った。同じ道を歩いた友人はチャンスをつかんで母校に、私は地方大へと行った。それで終わった。いくら良い論文を多く書いても私は地方大の教授にすぎない。あちこちで優遇されてプロジェクトをうまく友人とは天と地の差だろう。これをソウル大の『プレミアム』でなければ何と説明するのか。決してねたましく思うということではない」
その教授はソウル大の今を「傲慢と屈辱の現象」と表現した。獣医学科のチョ教授がオキシー・レキット・ベンキーザー(現RBコリア)から金品をもらって加湿器殺菌剤の実験報告書を操作した容疑で逮捕されたことを、そんな現象に例えた。「ソウル大の研究」という名前の価値を利用しようと意図的に接近してきたオキシーの罠にはまって屈辱を受けた可能性があるという話だった。飛躍になるかもしれないが最近の監査院のソウル大法人化の監査の結果を見ると、そのまま見過ごす話ではないように思われた。教授が総長のサインもなしに社外重役を兼職して億ウォン台を得ていたことは「うまく行っているのにどうして」という傲慢さであり、モラルハザードの極限状態であるためだ。