【中央時評】韓国のイラン外交成果…政府が話さないこと(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.05.10 14:13
「ジャックポット受注」「テバク(=bonanza、大もうけ/大当たり)セールス外交」「第2中東ブームの礎石」。朴槿恵(パク・クネ)大統領のイランセールス首脳外交に対する賛辞だ。中小・中堅企業146社、大企業38社、経済団体・公共機関・病院52カ所など歴代最大規模の経済使節団236人を率いた朴大統領が現地で出した経済的成果を見ると、賛辞を受けるに値する。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の発表によると、イラン側と締結した了解覚書(MOU)は66件で、計456億ドル規模を受注したという。造船・海運産業の構造改革など惨憺たる国内経済の現実に絶望した国民にはまさに朗報だ。
しかし光があれば影もある。締結したMOUに法的拘束力がないという事実はひとまず置いておこう。さらに注意するべき問題はあちこちに隠れている政治的リスクだ。最も大きなリスクは、果たしてイランが「P5+1(国連安保理常任理事国+ドイツ))」と合意した「非核化包括的共同行動計画」を2025年までに履行するかどうかに対する疑問だ。急激な情勢変化のためイランが合意を破棄したり、追加で核開発関連疑惑が浮上すれば「制裁再開(snap-back)」条項が自動発動される。この場合、イランに進出した韓国企業が莫大な打撃を受けるのは間違いない。
実際、イランの最高指導者ハメネイ師が朴大統領との会談で「米国の悪い感情(ill-will)に両国関係が振り回されてはいけない」と述べたのも、こうした状況を念頭に置いたものだといえる。制裁再開条項が発動される場合にも、米国を意識せずにイランとの経済協力を続けてほしいというのが、誰も説明しなかった本当の意味だ。果たしてそのようなことが可能なのだろうか。非常に懐疑的だ。