【コラム】「国民が国家だ」=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.04.15 13:35
第20代総選挙の結果は予想できなかった。13日昼12時ごろ、ソウル瑞草区のある小学校の投票所に行ってみると、やや違う雰囲気があったが、これほどとは思わなかった。投票場には20代と思われる若者がかなり目についた。子どもと一緒に来る30-40代の親も多かった。一方、50代後半以上と思われる人は数えるほどしかいなかった。投票に意欲的な高年齢層は午前の早い時間に済ませたのだろうかと思った。20代半ばという青年に話しかけた。「正直、他の国に移民したかった。就職も難しく希望もないので…」。どの政党に投票したかを明らかにしなかったこの青年は「もともと政治に関心はなかったが、今回は投票しにきた」と語った。
この日午後6時の出口調査に続き発表された開票の結果は驚くものだった。専門家の予想や事前世論調査で一度も予測されなかった与党セヌリ党の大敗、第1野党「共に民主党」の第1党浮上、そして「国民の党」の成功が確認された。理由が気になって知人の大学生に電話をかけた。「以前は父が眠らずに開票放送を見るのを理解できなかったが、今回は自分もそうなった。自分の一票が世の中を変えるような気がして鳥肌が立った」。
与党に衝撃を与えた総選挙の結果が、若者の投票率が高まったからかどうかは分からない。しかし総選挙の結果がリアルタイムで中継されたソーシャルネットワークサービス(SNS)では「怒った20代と背を向けた40-50代の力」という反応が出てきた。「私は保守派だが、どうしてもセヌリ党は選べなかった」「国定教科書を強引に進める時は国民の声を聞かなかったが、選挙になるとひざまずく演技が通用するとでも思ったのか」「私は大邱(テグ)育ちだが今回は共に民主党に投票した。セヌリ党は目を覚ませ」…。朴槿恵(パク・クネ)政権と与党を叱責する反応があふれた。