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【社説】今度は徹甲弾を無視した防弾服…防衛産業の不正に終わりは=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.25 09:33
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国防部と軍が深く関与した防衛産業の不正がまた明るみになった。本当に防衛産業の不正の終わりはどこなのかと尋ねないではいられない。監査院の監査結果によると、軍が数十億ウォンを費やして開発した徹甲弾防弾服の調達計画を陸軍少将出身の国防部第1級官吏が撤回し、その代わり軍とコネのある防衛産業業者から性能の劣る一般防弾服3万5000着の納品を受けて前線の部隊に支給した。

国防部は監査院の発表に対して「監査結果を尊重して綿密に検討して忠実に後続措置を取る」という立場を発表した。だが、果たして適切な措置が取られるのだろうかとの疑いを持つだけの蛇足を最後に付けた。「(問題になった)防弾服自体は軍が求める性能(北朝鮮軍の小銃AK-74の普通弾防護)基準を満たしている」という内容だ。

 
北朝鮮軍はAK-74小銃に一般防弾服を貫通できる徹甲弾を多数使っていることが分かっている。国防科学研究所(ADD)が2007~2010年に先端ナノ技術を使った徹甲弾防護用液体防弾服を開発した理由だ。それでも2011年に突然この計画を翻し一般防弾服の納品を受けるという呆れたことをしておきながら何が問題かという雰囲気だ。

その理由は一つだ。軍と防衛産業業者の根深い癒着だ。徹甲弾防弾服計画を白紙に戻した国防部官僚の夫人は、問題の防弾服メーカーに偽装就職して月給を受け取っていた疑惑を持たれている。陸軍士官学校花郎台(ファランデ)研究所のある教授は、実弾数百発を横流しして実験用として提供し、陸軍士官学校の施設・装備を提供した代価として数千万ウォンを越える金品を受け取った。軍出身者が問題の企業とその系列会社に就職した事例は2008年以降29件にのぼる。その代価なのか、この企業は2025年までに2700億ウォンを越える防弾服供給権を保証されたという。2011~2012年に一般小銃弾も貫通する不良防弾服2000着を特殊戦司令部に納品して摘発された企業だったにもかかわらずだ。軍との強固なコネなくしては説明ができない。

軍事装備は軍人の生命を担保しているだけでなく国家安保を支える柱だ。機密維持が必要な軍特性を悪用して軍事関連の不正を犯すのはややもすると軍人の命を脅かし国家安保を揺るがす反逆行為になりかねない。徹底した捜査で不正関連者を抜本的に根絶して厳重に処罰し、今後の企業選定の時には民間専門家などを参加させて公正入札が可能で軍フィアが付け入る隙を与えないように制度を変えなければならない。北朝鮮の核と長距離ミサイルよりももっと危険なのは猫に魚を任せることだ。

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