【取材日記】交通文化の逆行が招いた覆面パトカーの出動=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.03 15:32
「約束の同乗時間は1時間半だけれども、取り締まり実績が1件もなかったら記事を書くのが難しいのではないか」。覆面パトロールカー(パトカー)に同乗した初日の1日、取材する前から気をもんでいた。だが、それは取り越し苦労だった。前方の助手席に座っていた高速道路の巡察隊チェ・スンウォン警査(45)は5分に1回の割合で法規違反容疑の車両を見つけ出した。バス専用車道を走って覆面パトカーが警光灯をつけながら近づくとスピードを高めて逃げたり、専用車道にこっそりとはみ出して何もなかったように走ったりしていく車両が次から次へと現れた。
この日の覆面取り締まりで警察官が法規違反運転者から最も多く聞いた話は「この頃はこんなふうに取り締まるのですか。これがパトカーですか」だった。生まれて初めて黒色のパトカーを見た彼らの顔は当惑の表情に満ちていた。3月から試験運行すると報道されていたが知らないドライバーが大多数だった。
ナビゲーションのアップグレードさえ適時にうまくやれば、スピード違反カメラの位置を簡単に知ることができる世の中だ。飲酒運転の取り締まり地点をあらかじめ知らせるアプリケーションもある。技術の発達は、ドライバーが取り締まりに「ひっかかる時」と「ひっかからない時」を知ることができるようにした。取り締まられたドライバーの中で「パトカーとは分からなかった」という人はいても「違反しなかった」という人はいなかった。誰もが違法に慣れている様子だった。