【グローバルアイ】北朝鮮の核と「ヘル朝鮮」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.01 15:53
15年前のことだ。ニューヨークのあるセミナープログラムでイスラエルの中堅言論人と親しくなった。CNNなど現地の放送には連日、イスラエルとパレスチナの衝突事態が報道されていた。彼に「いつもこういう状態なら日常生活が不安ではないのか」と尋ねた。彼は報道で見られるほど殺伐とした雰囲気ではないと答えた後、私に尋ねた。「韓国こそ北朝鮮と対峙しているが、危険ではないのか」。その瞬間の不意打ちを食らったような感じは今でも鮮明に覚えている。
1953年以降の韓半島(朝鮮半島)の停戦63年は緊張の歳月だった。その間、我々は北朝鮮の反復的な挑発に鈍感になった。金融市場は北朝鮮の挑発に揺れても、すぐに正常な動きを取り戻す。さらに北朝鮮が核実験を断行したというニュースにも、市中の危機感は長く続かない。徐々に熱くなる水の中のカエルが水が沸騰しても跳び出すことができないのと似ている。
北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)を脱退して33年、最初の核実験をしてから10年が過ぎた。その間、世界最強大国からなる国連安全保障理事会までが動いたが、核兵器を保有するという北朝鮮の野心を阻止することはできなかった。北朝鮮は年初、4回目の核実験を敢行した。北朝鮮の核兵器力はさらに高度化した。北朝鮮の核は決して対岸の火事ではない。韓半島と北東アジアの平和が実質的に脅かされる。それでも多くの人々が北朝鮮の核問題の深刻性を実感できないのは自分の生活にすぐに影響することではないと考えているからかもしれない。