【社説】中国大使の無礼、韓国外交に戦略あるのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.02.25 13:10
韓中修交は両国の理解の産物だ。当時、盧泰愚(ノ・テウ)大統領は北方諸国との関係改善を通じて韓半島(朝鮮半島)の平和体制の構築を望んだ。中国のトウ小平は「有益無害論」を語った。韓国との修交は、利益はあっても損害はないというものだった。そのような韓中関係に「破壊」うんぬんの話が出てきた。駐韓中国大使の邱国洪によるものだ。邱大使は金鐘仁(キム・ジョンイン)「共に民主党」非常対策委代表に会った席で高高度ミサイル防衛(THAAD)体系導入が実現すれば「韓中関係発展のための努力があっという間に破壊される恐れがある」と警告した。
大使が自国の立場を代弁するのは当然だ。ただ、今回の邱大使の発言は度が過ぎた。韓中関係の破壊に言及したのは、いくら善意に解釈しようとしても内政干渉としか思われないからだ。20年余り以上にわたり積み重ねてきた韓中友好に対する中国の真意を疑わせる。少なくとも中国外務省レベルの釈明が必要だと言えよう。
これと共に確かめなければならない問題がある。中国が極度に敏感な反応を見せているのに、韓国政府が北朝鮮のミサイル発射から5時間余りで追われるようにTHAAD配備の協議を開始すると発表しなければいけなかったのかという点だ。THAAD配備は主権国家の自衛権的な措置であり中国が是非を論じる問題ではない。しかし中国の協力が必要な時点で時期と手続きで柔軟性の余地は残しておく必要がある。それでも導入の主体であり性能と効果を最もよく分かっている米国が、中国を説得する前に韓国が先に既定事実化したことは戦略的ではなかった。