【時論】世界的メガFTA熱風に対処する韓国の姿勢(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.12.18 11:43
先月15日、ケニア・ナイロビで重大な貿易交渉が始まった。世界貿易機関(WTO)の第10回閣僚会議だ。この会議は歴史上初めてアフリカ開発途上国で開かれる国際貿易交渉だ。だが、注目を浴びている理由は他にもある。2001年11月から始まったドーハ・ラウンド交渉が事実上幕を下ろすかもしれないためだ。
ドーハ・ラウンドは工業製品や農産物の関税をまとめて引き下げることを目標としてきた。だが、2008年12月に合意直前までこぎつけながら結局失敗に終わった後、今まで14年間引きずっている。この交渉はことし9月、米国政府が今までの農産物関税協議案を白紙にしてウルグアイ・ラウンド方式に戻そうと提案したことから今後の交渉が不透明になった。ドーハ・ラウンドの農産物関税が相対的に開発途上国に有利な半面、ウルグアイ・ラウンド方式は先進国や開発途上国がともに同じ基準で関税を引き下げなければならない。当然、開発途上国にとっては受け入れにくい内容だ。今回の会議でドーハ・ラウンドの寿命が終わるという見通しが出ている理由だ。
米国が大きく方向転換した背景には、ことし11月12日に妥結した環太平洋経済連携協定(TPP)がある。TPP交渉の妥結により通商競争で主導権を取り、WTOを活用する必要がそれほどなくなったためだ。12カ国が参加するTPPがWTO加盟国162カ国が参加するドーハ・ラウンドの運命を左右しかねない様相だ。TPPが、事実上、WTOに取って代わるかもしれないとの予測も出ている。