【コラム】この国の主は誰ですか=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.12.01 15:01
母はきれいな服を着てまた外出した。「用事があって少し出かけてくるので、たまっている皿洗いと洗濯、掃除をして、宿題も全部終わらせておきなさい」と言った。戸締まりを忘れないようにという言葉も忘れなかった。言うことをよく聞く子どもたちは「はい、お母さん、安心して行ってらっしゃい」と言って手を振る。
パリで開催される国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)のために出国する朴槿恵(パク・クネ)大統領の姿をテレビで見ながら、このような印象を受けた。大統領は見送りに来た政府・与党代表、院内代表と握手を交わし、しばらく言葉を交わした。手を振って搭乗口に行く大統領は明るい笑顔だった。3日前まで体調が悪く、元大統領の告別式にも出席できなかった朴大統領だ。
すでに1年の最後の月に入った。2015年のカレンダーもあと1枚しか残っていない。皆さんの今年1年はどうだっただろうか。人によって差はあるだろうが、満足や喜びよりも後悔や物足りなさが残っているのではないだろうか。人間は社会的な動物だ。共同体を離れて生きることはできない。個人の福せと不幸は多かれ少なかれ共同体の影響を受けるしかない。共同体の浮き沈みによって起伏もある。今年1年、我々が生きている大韓民国という共同体はどうだっただろうか。墜落する姿を残念に、時には恥ずかしく眺めたというのは、私だけの所感だろうか。