【時論】韓中FTA批准、これ以上先送りはできない(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.25 15:23
2010年、日本では坂本龍馬熱風が起きた。坂本龍馬は1835年に生まれた江戸時代の下級武士の出身で、いわゆる大政奉還を主導し明治維新を通した中央集権的近代国家の土台をつくった人物だ。その結果、日本は封建秩序を維持しようとする幕府体制から近代化へと移行する転機を迎えた。日本が今再び坂本龍馬に魅了された理由は「失われた20年」を体験して未来を悩んだ時に、一層彼の鋭い洞察力とリーダーシップが懐かしかったようだ。坂本龍馬のキーワードは、時代精神である開放と近代化であった。
日本の明治維新当時の朝鮮社会はどんな様子であったか。派閥勢力政治と三政の紊(びん)乱などで民衆の生活は疲弊し、社会的に騒動と蜂起が続いた。世界の列強が朝鮮を虎視耽々と狙っているのに鎖国政策で門を閉めることにだけ汲々としていた。その結果、世界の流れからかけ離れたまま自主権を失う端緒を自ら提供してしまった。当時の朝鮮のキーワードは鎖国と事大主義であった。このように韓国と日本が、その後それぞれ違った歴史を経験することになったのは、開放と鎖国というキーワードの差ではなかっただろうか。