【コラム】金日成広場の軍事パレードの政治学と経済学(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.15 10:53
10日に平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場で朝鮮労働党創建70周年記念の軍事パレードと金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の25分の演説直後からさまざまな人に会って話を聞いてみた。まず北朝鮮を分析する仕事をするある脱北者に会った。匿名を要求した彼は「人民」という単語が97回も入った演説を確認して驚いたという。北朝鮮で暮らしていた時はこれと似た表現すら聞いたことはなかったためだ。
金正恩はなぜこんな話をしたのだろうか? 北の家族と随時通話し現地事情に比較的明るいというこの脱北者は「宣伝・扇動の一部」と判断した。脈絡を確かめてみよう。8月に北朝鮮が地雷と砲撃挑発に続き準戦時体制を宣言した当時、当局は住民をトンネルに避難させた。その後8・25合意がなされると「傀儡徒党を圧迫し銃1発撃たずに対北朝鮮拡声器を撤去させ戦争も防いだ」と宣伝したという。当時恐怖に震えた住民は今回の党創建行事で大きなプレゼントを期待したが与えるものがないのでリップサービスだけでもプレゼントしたということだ。人民に何か大きなプレゼントをする経済的能力がなかったものと考えられる。