【コラム】難民は人道主義的課題…戦争体験した韓国も乗り出すべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.15 09:12
最近数年間、安定した人生と保護のために欧州に向かう人の数が急激に増えた。だが欧州連合(EU)の多くの国では現在、福祉や社会基盤施設への投資を減らす緊縮が続いており、負担が大きくならざるをえない。2015年上半期だけで欧州に移った難民が35万人で、集計されていない数を合わせればはるかに多いと思われる。実際ドイツ政府は今年、ドイツだけで80万人の難民が受け入れられていると推定する。現在欧州は特殊な状況だった第2次世界大戦後に最も大規模な集団移住を体験している。恥さらしな過去の姿が繰り返されるのはさておき、多くの欧州諸国が現在の状況について露骨に無関心を表わすのは悲しいことだ。歴史上最も残忍な戦争がつくり出した前回の大規模な移民を体験して得た重要な教訓を私たちは忘れてしまったのだろうか。まさに普遍的人間愛がそれだ。
実際1930~40年代の大規模な難民移住は、ナチスドイツの外国人嫌悪症と恐れ・憎しみが理由だった。ほかの見方をすればEUができた理由もこうした失敗を繰り返さないためではないか。人の外見が違うからと差別し、これによって摩擦が生まれることを防ぐためだった。だが今でも一部の国では難民を相手に不適切な言葉を使う指導者が少なくない。このような言葉の暴力は難民を同じ人間と感じることを妨げて無関心や憎しみ・分裂をそそのかす可能性まである。