【コラム】先進国の韓国が、なぜ海外と養子縁組をするのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.01 13:54
数年前のことだ。韓国からイタリアに養子縁組された30代後半の女性を伴って通訳・案内をつとめたことがある。韓国系の養子縁組者を両親に会わせる団体を通じて韓国を訪れた方である。韓国で生まれたその方は韓国語を知らず、以前に来たこともなく西洋人である私が道案内をするという状況が非常に異彩を放っている気がした。
この方は2歳の時にイタリアへと養子縁組されたが、養子縁組の書類に書かれた「キム(Kim)」という性を名前だと勘違いした養父母はこれを名前にした。だが2年後、今度は男の子を韓国から養子にして書類にまた「キム」と書かれていたのを見てから、これが姓だということを知るようになったという。時間がかなり過ぎた後で名前を変えることができず「キム」というイタリア人として生きてきた。この方は新しい家族の愛情をもらいながら育ち、有名大学を卒業して世に認められる建築家になった。イタリア人の記者と結婚して子供も2人もうけて幸せに暮らしていた。自分が生まれた韓国には何の関心もなかった。そのうちに両親に会いに韓国に1人で来る機会ができて、イタリア人ガイドである私に会ったのだ。