<韓国、不法滞在者の子供たち>(上)…彼らの悲哀(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.09.10 13:48
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保育園に行きたいティヌリ(3)は終日、コンテナの中でポロロ(韓国の子供向けキャラクター)のカバンを持って過ごす。母親はティヌリを保育園に預けようと3カ所を回ったが「(国籍がないティヌリは)住民登録番号がないので無理だ」という言葉を聞いただけだった。
全羅北道(チョンラブクド)の乳牛農場のそばに置かれたコンテナ。スリランカ出身の両親を持つ女の子ティヌリ(3)は、生まれてからここを出たことがあまりない。普通の韓国の子供たちなら保育園に行く年齢。だがティヌリは隠れるように暮らしている。両親が不法滞在者だからだ。韓国で生まれたティヌリは出生届も出せなかった。国籍のない子供だ。
ティヌリは終日コンテナの中で人形遊びをしている。背中にはポロロのカバン。母親(37)は「1、2回だけ出て行って同じ年頃の子供たちが背負って(保育園に)通っているを見て、カバンを買ってくれとせがみ、ああしている」と言った。思いきってティヌリを保育園に預けてみようとした。3カ所を回ったが全て断られた。出生記録がないティヌリは、万一の場合に備えて保険に入ることができず、また韓国の親たちが知ればどんな話をするかも分からないという理由だった。そんなティヌリの友だちは人形、そしてスリランカの童謡を聴かせてくれる古いコンピューター1台だ。
京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)に住む女の子クルジャリナ(6)は昨年、ある癖が出てきた。見慣れない声が聞こえると、驚いたように頭をヒュッと回した後、警戒するまなざしで眺める。今年6月に続き7月中旬、記者が2回目の訪問をした時もそうだった。記者の声に警戒する様子が明らかだった。母親(43)が「この間見たおじさん」というと、その時初めて顔にそっと笑みが漂う。母親は「取り締まりチームが来ないかと両親が警戒しているのを子供が感じ始めたようだ」と話した。クルジャリナの両親はキルギスタンから来た不法滞留者で、クルジャリナは無国籍の子供だ。