<韓国・2016年予算>国の負債が初の40%台、金融緩和の景気浮揚に限界
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.09.09 11:24
互いに反対方向に跳ぶ2匹のウサギを捕まえなければならない来年度予算案の悩みだ。 崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)副首相兼企画財政部長官就任後の金利引き下げと財政支出拡大にもかかわらず景気回復傾向は微弱だ。ここに中国の景気鈍化と米国の金利引き上げの可能性という悪材料も潜んでいる。景気だけ見るなら積極的な財政の役割が切実だ。しかし国の借金にも警告灯がついた。来年の国の借金は今年より50兆ウォン(約5兆円)以上増え645兆ウォンに達する見通しだ。国内総生産(GDP)比の国の債務比率は40.1%で初めて40%台に進入する。金融危機を迎えた2009年にこの比率が30%線を超えてから7年ぶりだ。
苦心の末に前年より支出総額は増やすものの増加幅は減らす“折衷点”を見つけたというのが韓国政府の説明だ。来年度予算(総支出基準)増加率は3%で、今年の5.5%より低い。2010年の2.9%以来6年ぶりで最も低い増加率だ。しかし総収入増加率の2.4%よりは総支出増加率が高く、緊縮ではなく「拡張予算」に分類される。崔副首相は「景気活性化と財政健全性の間でどのように均衡を求めるか悩んだ予算。経済が厳しい時は一時的な財政収支悪化を考慮しても経済を回復させてこそ財政健全性を維持できる」と説明した。
来年の総収入のうち国税歳入予算は223兆1000億ウォンで昨年(追加補正予算含む)より3.4%増えるものと予想した。GDP成長率に物価上昇率を加えた経常成長率を4.2%と仮定して算出した。今年の予算編成時に政府が推定した経常成長率6.1%より1.9ポイント低い。税収見通しを保守的にとらえ税収欠損を防ぐためだ。