「韓国はゆっくり進む自転車です。それだけバランスを取るのが大変です。低成長基調で韓国の成長と収益創出モデルの弱さがそのまま露出した状態です」。

マッキンゼー・ソウル事務所のチェ・ウォンシク代表は７日、ソウル市内のホテルで開かれた「マッキンゼーコリアフォーラム」で韓国経済の現状をこのように描写した。この日のフォーラムの主題は「低成長時代の解決法」だった。

グローバルコンサルティング会社のマッキンゼーは２０１３年、「２次韓国報告書」を通じて韓国を「徐々に温められる水の中のカエル」に例え低成長時代を克服する新成長モデルを注文した。２年が過ぎたいま、マッキンゼーの目に韓国企業は依然として温められる水の中のカエルだ。チェ代表は「韓国企業はこれまで売り上げ成長を通じて収益増大と新たな成長につながる好循環効果を得てきたが低成長時代では売り上げが主導する成長モデルが通じない」と強調した。

４００人余りが参加したこの日のフォーラムは２つのセッションに分かれて進められた。ひとつは「デジタルイノベーション」であり、もうひとつは「迅速な成果創出」だ。マッキンゼーが低成長環境を克服する解決策として提示したものだ。「デジタルイノベーション」のセッションでは企業が持っているすべての力をデジタル化してこそ別のビジネスチャンスをつかまえられるという内容が紹介された。「迅速な成果創出」のセッションでは組織のＤＮＡを変化させ、製造ではなくマーケティング・営業革新につながってこそ競争で生き残れるというテーマで進められた。

２００８年の金融危機以降の低成長基調でも高い成果を出したグローバル企業の分析結果も紹介された。意外にも解答は企業内部にあったということだ。「運営パラダイムの変化」と「内部体質改善」という２種類のキーワードを見つけ出した。営業・マーケティングにも革新を導入するなどパラダイム転換を辞さず、リーダーシップの力より組織全体の力を動員した企業が低成長基調を成功裏に脱出したという説明だ。

チェ代表は「ニューノーマル時代の経営環境は企業の好みに合う収益源を選びにくくなった。韓国企業もどんなものでもうまくこなせる体質に変えてこそ低成長時代で成果を上げられる」と説明した。