日帝が略奪・破壊した文化財、その受難の記録(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.08.13 17:22
古美術研究者が日帝強占期の韓国文化財の受難とその返還について論じる時、必ず参考にする冊子がある。美術史学者の黄寿永(ファン・スヨン)博士(1918-2011)が1973年に出した『日帝期文化財被害資料』だ。黄博士は1950年代末から8年間、韓日会談の文化財返還分野専門委員として活動し、さまざまな記録と文献を集め、66年の会談妥結の結果に満足できず、後代に役立つ資料集を残した。手書きのメモの束形式を謄写板で200部刷り、定期刊行物『考古美術』の付録として配布したため、重要な内容であるにもかかわらず一般読者の手には渡らなかった。
この歴史的な資料集が42年ぶりに出版物として登場した。国外所在文化財財団が国立中央博物館および日本の「韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議」(以下、連絡会議)と手を握り、増補版を出したのだ。原本体制に基づきながらも引用文献の前後内容を幅広く翻訳し、関連遺物の図版と解題を追加し、日本が韓国文化財全般にどれほど大きな被害をもたらしたかをそのまま証言している。