【社説】中国発の「為替相場戦争」の戦雲が押し寄せる
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.08.13 13:12
中国が思い切って人民元切り下げに出た。中国人民銀行は11日に人民元を過去最大幅となる1.86%引き下げたに続き、きのうまた1.62%追加で切り下げた。人民元の価値は4年来の最安値水準に落ちた。中国が人民元切り下げを選択した理由は自明だ。輸出競争力を高め経済成長を牽引するということだ。昨年から金利を低くし金融緩和を進めたが容易には景気が回復しないため劇薬処方を下したのだ。人民銀行は「単発の措置」と主張するが信じることはできない。いつまた突発的な追加措置を出すかもしれない。緊張のひもを一瞬も緩めてはならない。
人民元切り下げはもろ刃の剣だ。効果が出て中国経済が生き返れば世界の景気がともに浮揚する肯定効果がある。これに対し為替相場戦争だけ触発し国同士の競争が激しくなれば世界経済が不安と恐怖に包まれ沈むことになりかねない。市場はひとまず新興国不安と原材料価格下落という否定的側面にさらに敏感に反応した。
最大の懸念は新興国発リスクの強度と範囲だ。アジアの主要通貨と株式市場はすでに衝撃を受けた。円をはじめバーツ、シンガポールドル、フィリピンペソの価値が相次いで下がった。日本、香港、台湾の株価指数も2日連続で下落した。実物市場も大きく揺れ動いている。金価格が上がり原油価格は落ちた。景気がどれほど振るわなければ中国が為替相場カードを切っただろうかということだ。カギは人民元切り下げの速度と幅だ。中国が大幅の切り下げを強行すれば世界市場の衝撃も大きく長くなるほかない。市場では2~3%の追加切り下げの可能性があるとみている。