【社説】謝罪のない痛切な反省は見せかけだ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.08.08 11:44
安倍晋三首相の戦後70年談話(安倍談話)が光復節(8月15日)前日の14日に発表される予定だという。第2次世界大戦終戦70年を契機に、過去を振り返って未来のビジョンを提示する安倍内閣の公式立場を内外に表明するという重い意味を持つ。この談話が韓日関係を改善し、両国関係が新たにスタートする変曲点になることを願うが、そのような期待はしないのがよさそうだ。安倍談話の内容に関連する報告書が失望感を与えているからだ。
談話作成のために安倍首相が委嘱した16人の専門家で構成された諮問機構(21世紀構想懇談会)は、5カ月間の議論の結果を反映させた報告書を安倍首相に提出した。植民地支配と侵略の事実を明記し、「先の大戦への痛切な反省に基づき、全く異なる国に生まれ変わった」という部分を通じて「痛切な反省」にも言及した。しかしどこにも謝罪の表現は見られない。戦後50年に合わせて発表された「村山談話」の4つのキーワード(植民地支配、侵略、反省、お詫び)のうち3つだけが反映されたのだ。この報告書に基づいて安倍談話が発表されるのなら、日本政府の歴史認識は20年前より後退したという非難を免れがたい。
報告書は韓半島(朝鮮半島)強制併合過程に関する説明を省略し、「民族自決の大勢に逆行し、特に1930年代後半から植民地支配が過酷化した」という言葉とともに、「列強は、進んだ国々が、『野蛮』『未開』の地域を文明化するために植民地化するという構図を世界で普遍化しようとした」とし、帝国主義で日本の責任を隠した。植民地支配自体に対しては謝罪することがないという認識をそれとなく表したのだ。