【社説】韓国政府・銀行・企業が合作した大宇造船海洋の不良
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.07.21 09:07
大宇造船海洋が4~6月期の会計に2兆ウォン台の累積損失を反映すると明らかにし市場が衝撃を受けた。この会社は昨年造船ビッグスリーで唯一黒字を出したと発表したが、今回の問題で産業銀行と会社の間に責任をめぐる攻防が広がっている。2000年から大株主として同社を率いている産業銀行側は副頭取出身を最高財務責任者(CFO)として派遣しているが、経営陣が彼を疎外したため不良がわからなかったと主張する。また、前任社長が再任を目的に意図的に隠蔽したという話もある。これに対し受注から納品まで工期が長い造船業の特性上、経営陣とCFOが会計反映時期を決めるという点から、隠したというよりは“回避”したという主張もある。
だが、大宇造船の本当の問題は会計よりも持ち主のいない会社をめぐるモラルハザードだ。業界では債権団が管理する不良企業の典型的モラルハザードである「代理人の罠」を指摘する。これは政府・銀行・企業が各自の利益を得るだけで責任を負わず産業構造調整が遅れる問題で、きのうやきょうのことではない。実際に「大宇造船社長は青瓦台(チョンワデ、大統領府)が任命する」という話が出るほど政界との関係が深刻だった。産業銀行は副頭取出身が行くポストを用意し、頭取は自分の任期を静かにやり過ごそうとする保身主義で問題解決を先送りし、労組は民営化の足を引っ張り構造調整をずるずる引き延ばしてきた。