【コラム】私たちは自らの運命を守れるのか=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.07.08 11:48
中国・瀋陽から丹東まで果てなく続く223キロメートルをバスで走りながら作家金薫(キム・フン)は軍靴の足音を聞いた。目が血走った唐、モンゴル、後金、清と毛沢東軍が順に瀋陽から発進し丹東で川を渡り、義州路に沿って南に下ってきた。金薫は「外国の軍隊が退けば事大の長い隊列がその道に沿って瀋陽に行った」と書いた。無力な国が耐えてきた恥辱の歴史を誤差なく記録した。苛酷な文章だ。
各界の指導者31人の中朝国境地帯1400キロメートル平和オデッセイ最初の寄着地丹東は韓国の歴史では慟哭の地だ。1636年に始まった胡乱が終わった1637年に清軍の縄に縛られた朝鮮の百姓たちが新義州で鴨緑江を渡りまんじりともせず夜を明かしたところだ。50万人が瀋陽の市場で奴隷として売られた。どうにか帰ってきた女性は蛮夷に体を汚された還郷女として見捨てられ、生まれた子どもは「胡虜の子」と呼ばれ幽霊のように山河をさまよった。
私は夜景が美しい丹東で金薫が眺めた川の向こう側の漆黒のような新義州を凝視した。無能な王朝を恨む力すら残っていなかった捕虜を思い、私たちに流れる還郷女と胡虜の子の恨めしい血を実感した。そして現在の韓半島が置かれた恐ろしい運命に身震いした。