【社説】MERS1カ月、わが共同体のDNAを信じる=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.20 14:27
全羅北道淳昌郡(スンチャングン)チャンドク村の隔離措置が19日0時に解除された。中東呼吸器症候群(MERS)震源地の平沢(ピョンテク)聖母病院に入院していた高齢女性が戻ってきたことで、この村の51世帯・102人は14日間、鉄窓のない監獄の孤立生活を送らなければならなかった。この女性は12日に亡くなったが、幸い、村に新規感染者は発生しなかった。初期に速かに村全体を隔離したうえ、住民が村の外に一歩も出ないなど自発的に協力したからだ。自分よりも隣人、そして共同体を先に考えるDNAがMERSを防いだのだ。チャンドク村の住民がトックリイチゴ・クワ・ウメの収穫時期を迎えて心配すると、地域のボランティアメンバーが助けた。この村は最近、政界の関係者が先を競って訪れる最高の防疫模範事例に挙げられる。
しかし淳昌郡の経済はMERSのためほとんどストップした状態だ。ブルーベリーなど地域特産物の販売が急減した。農産物はMERSといかなる関係もないが、消費者にMERSの烙印を押されたからだ。ある村の住民は「淳昌は清浄農産物で有名だったが、今後、都市の人々はどう思うか分からない」と心配した。湖南(ホナム、全羅道)の金剛山(クムガンサン)と呼ばれる剛泉山(カンソンサン)の観光客も76%減少したという。このため周辺の飲食店と宿泊業者は開店休業状態だ。迅速な初期防疫を主導したファン・スクチュ淳昌郡守も頭を悩ませている。ファン郡守は「農産物はMERSとはいかなる関係もないので、安心して淳昌農産物を購入してほしい」と訴えている。