「近金」vs「遠金」、平壌はいま権力闘争中
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.05.31 12:25
北朝鮮の権力核心部で金正恩(キム・ジョンウン)をめぐる派閥間の権力争いが露骨化しているという観測が提起されている。これまで水面下で進んでいた対立が表面化した代表的な事例が玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長の処刑という分析だ。内外の北朝鮮専門家らは5月9日にモスクワで開かれたロシアの戦勝記念式に金正恩が出席しなかったのもその延長線だと解釈している。
北朝鮮に頻繁に出入りする消息筋は、玄永哲処刑の背景について、金正恩に近い「近金」と、金正恩と距離を置く「遠金」の勢力間対立を挙げている。「遠金」は趙延俊(チョ・ヨンジュン)、ミン・ビョンチョル労働党組織指導部第1部部長、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)軍総政治局長、パク・テソン平安南道(ピョンアンナムド)党秘書など組織指導部出身だ。彼らは抗日パルチザン2世と3世で、組織指導部で長年にわたり経験を積んできた。組織指導部は北朝鮮の思想・人事を担当する労働党の核心部署だ。金正恩と「遠金」との対立は金正日(キム・ジョンイル)が2011年に突然死去してから始まったという。