海外所在文化財、還収がすべてだろうか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.05.24 12:44
光復70周年という歴史的重さのためなのか、これを名分にした行事があちこちで開かれる。文化財分野では海外に流出した韓国の遺物を取り戻すことが大事とされる雰囲気だ。文化財還収が「運動」になり、こうしたことに乗り出した何人かが英雄視される過程が続き、ややもすると国粋主義へと流れる危険を警戒する声も出ている。
国外所在文化財財団がこのほど刊行した『米国ワイズマン美術館所蔵韓国文化財』は、この事案に対し考えてみるべき問題を投げかける。国外所在文化財財団は外国にある韓国の文化財を体系的に調査し、その結果を共有・活用するために設立された財団で、この本は財団が出した「国外韓国文化財」叢書の4回目の報告書だ。
ミネソタ大学ワイズマン美術館は韓国の伝統家具コレクションが優秀だと評価されているが、このコレクションの核心は政治学者エドワード・ライト(1931~88)が寄贈した遺物だ。ライトは1967年にフルブライト委員会団長としてソウルを訪れ韓国の美術品を情熱的に収集したとされている。韓国に滞在した11年間に彼が集めた400点余りの韓国文化財は北朝鮮で作られた家具など貴重品が多い。