【取材日記】韓国教育、世界の称賛に笑う時ではない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.05.22 09:21
20日午後、仁川(インチョン)の松島(ソンド)コンベンシア全体会議場。「韓国教育特別セッション」が始まるとすぐに演壇後方のスクリーンには、戦争で崩れた建物のがれきの山の写真が登場した。数百人の参席者が粛然とした。しばらくすると高層ビルを背景にした漢江(ハンガン)の夜景へと画面が変わった。会場は拍手の音で満たされた。2枚の写真は、60年余りの間に韓国がいかに発展したかをひと目で見せた。基調提案を行ったペク・スングン韓国教育開発院長は「教育を通じてこのような発展を実現することができた」と話した。1時間半にわたって行われた全体会議の主人公は断然、韓国教育だった。
だが賛辞ばかりに浸っているわけにいかないのが韓国教育の現実だ。オバマ米国大統領が韓国人の教育への熱意を何度も公に賞賛したが、これをきまり悪く思う韓国国民も多い。その背後に深く垂れ込んだ影のせいだ。
韓国の青少年の自殺率は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均に比べ、飛び抜けて高い。学業達成度の国際比較研究(PISA)でも、学業点数は高いが学業に対する興味や自尊心などほかの評価領域では最下位圏に属する。中学生とその保護者は難関私立高・科学高校への入学を成功の基準として考え、高校生は大入(大学入試)に、大学生は「スペック」に命をかける。創意性が重要だということを分かっていながらも教師たちは依然として生徒たちを実験室ではなく教室に座らせて教科書を覚えさせている。キショア・シング国連教育基本権特別報告官に青少年自殺率が高い韓国の状況を説明すると驚いて「学生たちに幸せな教育環境のためには家庭のような温かい学校が必要だ」と話した。