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【噴水台】セウォル号を引き揚げなければならない理由

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.04.23 17:02
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偶然にも16日だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領の発言から政府の最終決定までにかかった時間だ。大統領は今月6日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)首席秘書官会議で「技術的に可能だという結論が出れば…船体引き揚げを積極的に検討する」と話した。海洋水産部では待っていましたとばかりに直ちに「技術的に可能だ」と発表し、大統領は16日珍島(チンド)の彭木(ペンモク)港で「必要な手続きを速かに進め、できるだけ早い期間内に」とくぎを刺した。22日の中央災害安全対策本部の審議は通過儀礼にすぎなかった。もはやセウォル号は技術的失敗という不祥事でもない限り水上に引き揚げる。

私はセウォル号の引き揚げに賛成していなかった。政府が不明者家族の同意さえ引き出せるならば、そのままにして置くのが正しいと信じていた。「引き揚げの必要性」に同感しなかった。引き揚げ問題についての記事を書く過程で会った専門家たちは、ほとんどが引き揚げに懐疑的な意見を出した。その費用で海上追悼公園を整備するほうが良いと考える人が多かった。1994年バルト海で沈没したMSエストニア号や第2次世界大戦の時に爆沈された米国戦艦USSアリゾナ号のように、沈没海域に存続しているケースが結構あるということも知るようになった。MSエストニア号には700人余りの不明者がいた。

 
ところがこの2日で考えが変わった。セウォル号を引き揚げなければならない、または引き揚げるほかはないという側に変わった。光化門(クァンファムン)の李舜臣(イ・スンシン)将軍の銅像前で開かれたセウォル号遺族の記者会見場だった。52人の遺族が断髪したその日だ。家族は世の中に対する願望を表出した。政府・国会・メディアに向けた荒っぽい言葉もあった。彼らの鬱憤が理解できた。中央日報の世論調査で62.3%の回答者が引き揚げに賛成した。その中には「引き揚げを必ず行うべきか」という話をとても口に出せないという考えを持つ、私のような人も多いと思った。

セウォル号引き揚げに対する技術的検討に10カ月かかった。緻密な作業のためにそれだけの時間が必要だったとは考え難い。事件の真相究明のための特別調査委員会はいまだに正常な活動を始めることができていない。時間はそうやって虚しく流れ、セウォル号引き揚げに対する社会的議論はうやむやになった。海水部の当初の計画では「公論化」というものが入っていたが試みることさえなかった。その結果「御命」によって決定されることになってしまった。

もしかしたらセウォル号は引き揚げできないかもしれなかった。だが、それに先立ち、すべき事をしなかった。だから私たちはセウォル号を引き揚げなければならない。

イ・サンオン社会部門次長

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