【社説】元大統領の回顧録が政治問題になってはならない=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.02.01 13:06
あす出版される李明博(イ・ミョンバク)前大統領の回顧録が事前に公開され議論が起きている。現政権と政界を刺激したり、他の国に負担になる内容が盛り込まれているからだ。世宗市(セジョンシ)修正案と関連した部分に青瓦台(チョンワデ、大統領府)は憤慨した。また、野党は資源外交や4台河川事業などの記述を李前大統領の自己弁解だと非難している。どうしてよりによって現在のように敏感なタイミングで李前大統領がこうした回顧録を出すのか、何かの政治的意図があるのではないかと疑う見方は拡散の一途だ。
もちろん大統領経験者はだれかの許しを得てから回顧録を出さなければならないのではない。どのような内容で、いつ書かなければならないという規定もない。だれにでも表現の自由と自己防衛の権利がある。米国の大統領経験者もみんな回顧録を書く。書かなかったのはジョージ・H・ブッシュ元大統領程度だ。オバマ大統領は現職なのに書いた。政治的敏感性を考慮し在任中の話は省いて書いたりもする。オバマ、カーター、レーガン、ニクソン、アイゼンハワーがそうだった。彼らの回顧録は時に世界的な話題を集め超大型ベストセラーになったりもする。
ところが李前大統領の回顧録は違う。まずタイミングに問題がある。自身の業績として誇示してきた資源外交や4大河川事業などに対する検証作業が差し迫っているタイミングで出版したという点だ。いくら客観的だと主張しても自己弁解に映るほかない状況だ。内容も議論の的だ。世宗市修正案と関連して微妙な解釈を生み出しかねない項目を入れるかと思えば、外交・南北関係で相手方を考慮しなければならない内密な事案まで公開した。思慮が足りないのか、そうでなければ何かの意図があるということなのか。