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最後通告時刻を過ぎたが便りなし…米紙「ヨルダンとイスラム国の交渉決裂」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.01.30 09:06
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29日午後11時30分(日本時間)、トルコ南部の都市アクチャカレに全世界の関心が集まった。この日午前にスンニ派原理主義武装団体「イスラム国」が人質交換のため新たに提示した最後通告時刻である「29日のイラク北部モスルの日没時刻」だ。イスラム国が首都で宣言したシリア北部の都市ラッカと隣接したここに、日本・トルコなど各国の記者が集まった。高まる緊張感の中、鉄条網とフェンスが設置された検問所の周辺には、現地の警察が厳重な警戒態勢を維持した。取材陣はイスラム国の日本人人質である後藤健二さん(47)、ヨルダン軍パイロットアル・カサスベ中尉と、ヨルダンのテロ犯死刑囚サジダ・リシャウィ(45)の交換を待った。しかし最後通告時刻を3時間過ぎた30日午前2時30分まで人質の姿は見えなかった。

イスラム国はこの日午前8時ごろ(韓国時間)、新しい音声メッセージをインターネットに載せた。後藤さんとみられる男性は英語で「日没までにトルコ国境でサジダ・リシャウィ死刑囚と私の命を交換する準備ができていなければ、ヨルダン軍パイロットのアル・カサスベ中尉はすぐに殺害されるだろう」と述べた。前日晩にヨルダンのメディア担当相が「パイロットを無事に解放すれば、リシャウィを釈放する用意がある」とし、イスラム国側に送った人質交換提案を事実上拒否したのだ。ニューヨークタイムズはこの日、「ヨルダンとイスラム国の交渉が決裂したとみられる」とし「イスラム国が日本人人質とヨルダン軍パイロットを殺害するという脅迫を実行に移すかもしれないという恐怖感が高まっている」と報じた。

 
イスラム国はこの日公開した音声メッセージで、過去の2回の映像メッセージとは違い、後藤さんの写真を載せずアラビア語の字幕を付けた。「ヨルダン軍パイロットが殺害されるだろう」という部分を赤い字で強調した。これまで1分以上だったメッセージが30秒ほどに短くなり単純化したのは、人質とテロ犯の交換交渉が壁にぶつかり、イスラム国内部で緊迫した状況が展開されているのを表しているという分析も出てきた。安倍首相はこの日午前、衆議院予算委に出席し、「新しいメッセージ内容を分析している」とし、慎重な態度を見せた。イスラム国の脅迫に対しては「断じて許すことのできないテロ」と非難した後、「テロの脅かしに屈するようなことがあれば、日本人に対する更なるテロの誘発を生む」と強調した。

ヨルダンの悩みは最後通告時刻が近づくにつれて深まった。ヨルダンのメディア担当相は午後9時ごろ(日本時間)、「首相や議会議長が会議を開き、対応案を協議した」とし「重要な局面に入っている」と述べた。続いて午後10時50分の記者会見では「ヨルダン政府はリシャウィ死刑囚を釈放する用意があるが、現時点でパイロットの生存を確認できる証拠を受けていない」とし「このため次の段階に進むことができない」と明らかにした。また「リシャウィ死刑囚は生きていて、現在ヨルダン内に収監されている」と付け加えた。日本人人質に関しては「厳しい状況を迎えているが、一致団結しなければいけない」とし「釈放のために努力している」と説明した。

ヨルダンは国内外の利害関係に絡んで4重苦に直面している。まずヨルダンは、イスラム国がパイロットをテロ犯の交換対象から除くことで、リシャウィ死刑囚を釈放してもパイロットの解放は保証されていない状況だ。こうした中、数百人のヨルダン市民はヨルダン王宮の前で「パイロットを救え」と連日叫んでいる。

またヨルダンは外国の激しい圧力も受けている。長い間の友邦である日本は後藤さんの解放を引き出そうとしている。日本は政府開発援助(ODA)資金を追加で増やして支援する案も提示したという。米国の圧力はさらに激しい。「テロ犯に譲歩してはいけない」とし、人質とテロ犯の交換に反対している。親米国のヨルダンはイスラム国を相手にした軍事の行動にも参加してきた。ヨルダン軍パイロットと日本人人質を救出しても「テロに屈服した」という米国など国際社会の非難は避けにくい。

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