失敗を共有しよう=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.12.29 15:57
先月28日ソウルのCOEXで開かれた再挑戦カンファレンスの発表会場。「革新的な失敗」をテーマに参加者約10人が創業の失敗談を打ち明けた。大賞は、失敗の典型を見せてくれたファン・スンヨン韓国フレーミング研究所代表(55)が獲得した。外国為替危機の直後に創業した彼は、顔認識テレビ広告効果測定システムの開発に乗り出したが、お金だけが飛んでいった。自分自身が技術を知らず、技術者の言葉だけを信じたのが失敗だった。しかしこれを通じて多くのことを学んだ彼は現在、盗用が不可能な使い捨てパスワード生成器の開発に挑戦している。
企業経営において失敗は否定的な要素だ。失敗が知られたら企業の評判が悪くなり、担当社員は失敗者という烙印を押されるのが常だ。ところが深刻な不況が、失敗を見る視点を変えている。自身の失敗を認め、むしろ反転のきっかけにしようとする流れだ。失敗恐怖症に捕らわれていては一歩も進めないからだ。
主な先進国では、すでに失敗学が革新の基盤になっている。失敗(failure)・失敗(mistake)・間違い(error)を分析して活用する道を切り開くためだ。流れは大きく2通りだ。最初は、なぜ失敗したかを分析して再発を防ぐことに焦点を合わせた事後分析だ。過去の失敗を分析するケースはノキア・コダック・モトローラ・ソニーの事例が代表的だ。これらの企業は現在の成果に陶酔して技術変化の流れを逃した。このような場合、活用の面では価値が下がるが反面教師の意味は大きい。2番目は飛躍的な発展のために「予想される失敗」をあらかじめ予測することに焦点を合わせた革新レベルの失敗研究だ。ここでは失敗可能性があっても、あらかじめ失敗の大きさを予測した後に挑戦する過程で革新(イノベーション)や飛躍的発展(ブレイクスルー、break through)を追求できる。