【社説】韓国政治をこれ以上「党論の泥沼」に放置できない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.20 14:26
携帯電話の補助金を規制した端末流通構造改善法(端通法)の後遺症が激しい。携帯電話の補助金を透明化して消費者に恩恵が戻るようにするというのが、この法を作った趣旨だという。ところが実際に施行に入ると、消費者が補助金や料金割引の特典を受けられないという恐ろしくとんでもない事態が広がっている。当惑した政界は「法を変える」と出たが、一体どこから手をつけるのかも分からずあわてている。
中央日報は「党論の泥沼から政治を救おう」という企画報道を通じ、放送法改正案・セウォル号特別法などで与野党が極限対決を行っていた渦中に端通法が賛否討論もなく拙速に処理されたという点を指摘した。多数決という民主的な意志決定の過程を無視して、少数の見解を「党論」で丸め込んだことが最も大きな問題だった。極限対決と闘争政治を受け継いできた政界が、そもそも国民の利害と直結する端通法については「1世帯あたり50万~60万ウォンの節約効果がある」という政府の話を確認もせずにいきなり処理したのだ。党論政治のあきれ返るような弊害だった。
政党が存在する限り、党論は必要だ。だが党論の形成過程は民主的で透明であるべきだし、何よりも有権者の理解と同意を基にボトムアップ式で行われなければならない。かつて韓国では何人かの政治指導者のリーダーシップやカリスマ性に依存して政党が誕生した。そうするうちに党代表や実力者の見解を自然に党論として受け入れてきた。そうした慣行がいまだに汝矣島(ヨイド)政治を思いのままにしている韓国の現実が恥ずかしい。