破壊的な革新呼ぶ基礎・応用研究がノーベル賞の秘訣=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.10.14 14:40
今年のノーベル科学賞受賞者の発表を見守りながら、数年前に訪問した英国ケンブリッジ大学のキャベンディッシュ研究所(Cavendish Laboratory)を思い出した。世界最高水準の物理学研究所でもあるが、そこで学び研究した人々の中から29人のノーベル科学賞受賞者が輩出された、ノーベル賞受賞者のゆりかごとして知られる。私たちがうらやむ日本のノーベル科学賞受賞者19人よりも多い数字だ。ところが研究所の紹介を聞いていて突然、疑問が沸いてきた。1904年に大気中の希少気体の1つであるアルゴンを発見して分離したレイリー卿(Lord Rayleigh)を先頭に持続的に輩出されたノーベル賞受賞者が、89年に原子の正確な準位を明らかにして10兆分の1秒まで測定可能な精密時間測定法を開発したノーマン・ラムゼー氏を最後に1人も出ていなかったからだ。その上、ノーマン・ラムゼー氏はキャベンディッシュで博士学位を受けただけだ。その理由を尋ねた時、当時の所長は基礎研究を熱心にしているが、いつの頃からか実生活に直接応用可能な基礎研究の成果が弱くなってノーベル賞受賞の脈が途切れたようだという返答を聞いた。
◆政府・民間の研究革新見えず
誰もが知っているように、ノーベル賞は「人類の福祉と生活の質の向上に寄与した独創性ある最初の発見、発明者に授ける賞」だ。ほとんどが基礎研究の分野で上の条件に合う卓越した研究者が受賞すると考えるが、こうしたノーベル賞の受賞領域で私たちが見逃している部分がある。人類の革新を主導する産業的応用が高い先端技術を開発した研究者の受賞が、着実に続いてきているということだ。今年の物理学賞は青色発光ダイオード(LED)を開発して照明技術の革命を呼び起こした日本人科学者の3人が受賞した。