【コラム】THAADの韓国配置、国民説得が先だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.14 10:36
かなり以前に『ムクゲの花が咲きました』というベストセラー小説があった。反日感情と感傷的な愛国主義を巧妙に刺激したこの本を、記者も興味深く読んだ。だが韓国・北朝鮮が力を合わせて日本に対して核攻撃を宣言する小説の結末は、その時も今も、現実とはかけ離れた虚構にすぎない。
同じ作家の小説が再びベストセラーになった。今度は論争のど真ん中にある高高度ミサイル防衛体制(THAAD・サード)を扱った。『ムクゲ…』とは違い、作家は小説の結末を「過激な」虚構では終えずにクエスチョンマークを残した。作家自身がサードの韓半島(朝鮮半島)の配置についての立場を決めることができなかったためだという。
作家キム・ジンミョンだけでなく、多くの国民がこの問題について困惑している。このような混乱を政府があおっている気がする。米国当局者の発言は「グアムにある砲台1台を韓国に(移動)配置することを検討している」というほどに具体的だ。中国は官・民の区別なく、機会があるたびに「サード配置は韓中関係に重大な結果を招く」というシグナルを送ってきている。それでも韓国政府は「公式でも米国と協議したことはない」としつつも「もし配置になるならば、安保と国防に役立つだろう」と遠回しに述べる。専門家の討論会やメディアを相手にした背景の説明などはよく分からない状態だ。だから国民は混乱する。