【社説】「惨事が大韓民国を分裂させている」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.09.30 10:09
インターナショナルニューヨーク・タイムズは29日付1面に、セウォル号以降の韓国社会を分析した記事を掲載した。惨事の初期には遺族と悲しみを共にし、もう少し安全な国をつくり出そうという社会的共感が形成されたということだ。だが時間が過ぎながらセウォル号特別法の処理をめぐる対立が激しくなって深刻な理念分裂が広がっていると新聞は伝えた。新聞は「韓国を団結させた惨事が、韓国を分裂させている」と診断した。
一般人犠牲者の遺族は29日午後、安山(アンサン)合同焼香所から家族の遺影を撤収させた。高校生遺族中心で運営されている遺族対策委に対する不満を行動で示したのだ。彼らは声明で「このようにするしかないことについて、共に心配し悲しんで下さった国民に申し訳ない」「壇園(ダンウォン)高生徒対策委は…自重して自重するよう繰り返しお願いします」と明らかにした。与野党と市民社会団体はもちろん遺族までも分裂する状況に来たのだ。
今年4月に前代未聞の惨事が広がった後、朴槿恵(パク・クネ)大統領は涙を流して徹底した真相究明と再発防止を約束した。政界や政府も社会の積弊を清算しようと叫んだ。人々は未来世代がより安全な国に住めるようにとの希望を抱いた。だが5月が過ぎた後、韓国社会は違う状況へと変わった。真相究明の主体に捜査・起訴権を与える問題をめぐって与野党が対立し、国論も互角に分かれた。遺族対策委が断食闘争(ハンガーストライキ)を選び、保守団体は糾弾集会を開いた。一部では断食座り込みをあざ笑う「暴食闘争」も広がった。セウォル号特別法のために一般民生法案までが足かせをかけられた。