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【取材日記】広報の食卓を蹴り飛ばした北朝鮮の国連外交

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.09.29 09:05
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北朝鮮が15年ぶりにニューヨーク国連総会に外交トップを送ったが、立派な広報機会になる食卓を蹴り飛ばしてしまった。米国外交協会(CFR)は米行政府の外交・安保政策に影響力を行使する代表的なシンクタンクの1つだ。国連総会の開催に合わせてニューヨークを訪れたトルコのエルドアン大統領、フランスのファビウス外相らがCFR演説を活用して国際社会の懸案であるイスラム国(IS)に対する自国の立場を説明した。

しかしワシントンのある外交消息筋は「CFR側から北朝鮮の李洙ヨン(リ・スヨン)外相に演説機会を提案したが、北朝鮮から拒否されて実現しなかった」と明らかにした。別の消息筋は「1999年以降初めて北朝鮮外相が国連総会に登場して外交関係者らの関心が高かった」として「CFRのほかにも一部の機関が水面下で座談・演説などを李外相側に提案したが全て拒否されたらしい」と伝えた。李外相は代わりに27日(現地時間)の国連総会で「(核保有は)誰かを威嚇したり攻撃したりするためのものでなく、何かと取り替える駆け引きの道具ではない」と主張した。「米国の朝鮮敵対視政策が完全に終息して、私たちの自主権・生存権に対する威嚇が実質的に除去されれば核問題は解決する」とも述べた。いつも繰り返しているオウムの発言だ。

 
李外相は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記がスイスに留学した際に後見人の役割をした「イ・チョル(仮名)」元スイス大使だ。張成沢(チャン・ソンテク)処刑後に粛清されたという噂が広がっていたが、今年4月の最高人民会議で外相に任命されて最高指導者の脇を固める権力者であることを見せた。そんな彼でも国際機構で平壌(ピョンヤン)の指示内容を発表するほかには公開的に動くことができない。ワシントン外交界では「北朝鮮では最上位のエリートでさえ現場を独自に指揮する権限がない」という評が出てくる。何よりも李外相の動向は国際社会を積極的に説得するよりは、自分たちの話だけをするという北朝鮮式外交の反復だ。北朝鮮はこれを「自主外交」と掲げるだろうが、外界では「井の中の蛙外交」にすぎない。

国連総会の出席に先立ち李外相は「反米同志」のイランに立ち寄った。ザリフ外相と会談して両国関係を誇示した。だが国連総会の場外での2人は、まったく違う歩みを見せた。李外相が断ったCFRをザリフ外相は訪れて行って演説し、IS退治によってイランの存在感を浮上させようとした。IS登場後にイランに傾いた国際社会の関心を逃さず活用したのだ。崖っぷち外交のほかには見せることのできない北朝鮮が、だからこそさらに残念だ。

チェ・ビョンゴン ワシントン特派員

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