【時視各角】光化門広場の国、清渓広場の国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.09.05 11:18
2014年9月3日夕方6時。ソウル光化門(クァンファムン)広場の李舜臣(イ・スンシン)像の前。セウォル号の遺族座込み現場には数百人が集まっていた。一方では真相究明とセウォル号特別法処理を促す集会が、もう一方では遺族を支持する同調断食(ハンガーストライキ)が行われていた。
軽いリュックを手にサングラスをかけた男が、スローガンや嘆きの声が飛び交う光化門広場にひそかに入ってきた。片手には白いビニール袋を持っていた。男は座込み場から遠く離れた所に陣取って袋の中から小さな紙箱を取り出した。箱にはOOOチキンと記されていた。だが男はチキンを口に入れる前に、一つひとつ荷物を整理して場を離れた。座込み場で、数人から飛んでくる冷たい眼差しに気付いたからだ。警棒を持って周辺を巡回査察していた機動警察が、近頃の雰囲気を伝えた。
「約10日前から光化門広場はこの有り様だ。突然、不審な行動をする人が出現する。席を敷いて、おいしそうにチキン1つを食べてその場を離れる。チキンを持って自分撮りをする人もいる。数日前には年配者がチキンの箱を積み上げてデモを行ったりもした」。