【社説】罪のない息子の人権を踏みにじる軍隊、許せない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.08.05 17:37
今、軍を眺める国民の心は深刻な状態だ。大小の軍紀紊乱事件が続き、ついに陸軍第28師団で集団拷問と変わらない先任兵の蛮行でユン一等兵が死亡した。ユン一等兵集団殴打死亡事件自体でも国家の基盤を揺るがすが、陸軍の隠蔽疑惑まで出ている。陸軍は4月7日にユン一等兵が死亡した翌日、常習的過酷行為には口を閉じた。事件の深刻性は最近、軍人権センターを通じて知らされた。内部報告ラインの実情もあきれる。韓民求(ハン・ミング)国防部長官はユン一等兵事件を先月31日に初めて知った。報道され、広く知られ始めた翌日だ。韓長官が昨日の記者会見で追加捜査を指示したのは当然のことだ。
玉ねぎの皮がむけるように新たな事実が次々と明らかになり、軍に対する国民の不信感と怒りはピークに達している。軍が総体的な危機を迎えたというしかない。軍は国民の信頼で成り立つ組織だ。軍に対する反感と恐怖で入隊を拒否しようとする動きに対し、どのように説得し、説明するのだろうか。軍をこうした状況になるまで放置した首脳部の責任を問わざるをえない。第28師団長の解任程度で済むと考えているのなら誤算だ。事なかれ主義と保身主義、悪習を繰り返す慣行の積弊をえぐり取ってこそ、兵営も軍も正される。
軍の体質改善は兵営文化の刷新から始まらなければならない。戦闘力の根幹である兵営は普遍的人権と特殊性が交わるところだ。それでも兵営が人権の例外地帯となってはならない。その上に軍紀が確立されるべきだ。人権と軍紀が両立する時、戦闘力は倍加される。にもかかわらず韓国軍は過去の無批判的、条件反射的服従を強要する兵営文化を絶対視してきたのではないか省みる必要がある。社会の価値が多元化すれば兵営文化も柔軟にならなければならない。新世代兵士に迎合しろというのではなく、時代の潮流に合うよう教育と訓練をし、動機も付与しなければならない。これとともに将校・下士官の意識も変わってこそ、兵営は刷新できる。