【噴水台】戦争が若者たちの希望だって?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.08 09:11
2007年1月、日本の朝日新聞が発行する雑誌『論座』に、ある文章が載った。「丸山眞男をひっぱたきたい。31歳フリーター。希望は、戦争」という題名だ。筆者の赤木智弘氏は、不況の始まりと共に社会に出て安定した職を持つことができず、アルバイトで生計を立てている。彼はこの文で「より良い未来を期待できない若者たちにとって戦争は希望」という。平和で安定した日本という、持つ者にだけ有利な社会にすぎず、弱者にとっては「日本が軍国化して戦争が起きて、多くの人が死んで社会が流動化すること」が唯一の脱出口だという論旨だ。彼がひっぱたきたいといった丸山眞男氏は、日本の戦後民主主義を代表する政治学者だ。
刺激的な主張を冷静かつ論理整然と展開するこの文は、議論になったと同時に似たような不安感を抱いていた日本の若者たちの共感を得た。「強い日本」を主張して「嫌韓」運動を導く「在特会(在日特権を許さない市民の会)」が生まれたのもこの頃だ。インターネットで集まった20~30代が主軸のこの団体は「在日韓国人が日本人の権利を奪っている」と主張して旭日旗やナチスの旗を持って街中を行進する。彼らの活動を追跡した本『ネットと愛国--在特会の「闇」を追いかけて』を書いた安田浩一氏は、彼らが持つ喪失感と認定欲求に注目した。「何も持てない人々にとって“愛国”というものが、唯一の存在証明になったりもする」。