カネに崩れた元「国民検事」…韓国首相候補が辞退
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.29 08:17
安大熙(アン・デヒ)首相候補が28日、辞退した。首相候補に指名されてから6日目だ。36年の公職生活の間、「国民検事」と呼ばれた安候補は2013年7月、弁護士として開業した。わずか10カ月間の弁護士生活が「前官礼遇」という批判を招き、不名誉な退陣につながった。
安候補はこの日午後5時ごろ、昌成洞にあるソウル政府庁舎別館ロビーで予定になかった記者会見を開き、「前官礼遇をはじめ、いくつかの疑惑で国民の皆様を失望を与え、申し訳なく思う」とし「首相候補を辞退する」と述べた。続いて「いくつかの面で不足した自分がこれ以上首相候補として残るのは現政権の負担になるだけでなく、私を支えてくれた人、見えない力になってくれた家族、私を信じて事件を依頼した依頼人が苦しむ姿を見るのもつらい」と話した。さらに「私を信じて首相候補に指名した大統領に迷惑をかけ、申し訳なく思う」とし「もうすべての荷を下ろし、平凡な一人の市民に戻り、静かに過ごそうと思う」と語った。
安候補はこの5カ月間、弁護士報酬として16億ウォン(約1億6000万円)を稼いだことが明らかになり、元最高裁判事の地位を利用して事件を引き受けたという疑惑が浮上し、前官礼遇という声が出ていた。こうした批判が強まると、安候補は26日、市民団体に寄付した約4億ウォンを除いた残り11億ウォンを社会に還元すると明らかにした。これとともに「長くない弁護士生活で前官礼遇を受けることは考えもしなかったし、前官礼遇という誤解と非難を受けないよう行動一つ一つに気をつけた」と釈明した。安候補は11億ウォンの社会還元約束に関し、「私が国民の皆様に約束した部分は誠実に履行する」と述べた。