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【社説】大統領執務室を改造すべき<3>「空間の秘密」を知る先進国=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.27 13:21
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世界の主要国は最高権力者と参謀の事務室を密集させる。大統領制であれ内閣責任制であれ同じだ。迅速で密接な疎通がどれほど重要なのかをよく知っているためだ。建物を作ったり改造するたびに彼らはできるだけ近く「密集型」にする。ところが韓国は建物を作るたびに「分離型」へと進んでいる。いったいこの国は世界の流れをわかっているのだろうか。

米国の大統領は世界で最も強い権力を持った。だが、執務室は世界で最も狭い権力者の1人だろう。ホワイトハウスの面積は7万3000平方メートルで青瓦台(チョンワデ、大統領府)の25万3504平方メートルの3分の1にも満たない。大統領と参謀事務室はウェストウィングに集まっている。隅にある大統領執務室のオーバルオフィスは76平方メートルにすぎない。机と3人掛けソファが2つ、そしてテーブル1卓がすべてだ。参謀が多く集まる時はソファ争奪戦が起きたりもする。

 
執務室両側には大小の参謀の部屋が集まっている。副大統領、専任顧問、秘書室長、国家安保補佐官、報道官事務室などだ。内閣会議室も小さい。大統領と長官らは肩を寄せ合うように集まって座りマイクを使わずに対話を交わす。ウェストウィングにはルーズベルトルームがある。一種の居間だ。外部からの客や部下がここで待機すると大統領は隣の家のおじさんのようにいきなりドアを開けて入ってくる。密集も密集だが開放も活発だ。オバマ大統領はしばしば執務室のドアを開放しておくという。参謀は自由に出入りする。オバマ大統領自身も秘書室長の部屋に入り込み机に腰掛けたりする。

イスラエルの首相府は世界で最も速く動かなければならない所のひとつだろう。火急な安保状況が随時発生するためだ。密集・開放ではイスラエル首相府もホワイトハウスに劣らない。エルサレムにある官邸は首相執務室から付属室をひとつ過ぎると安保補佐官をはじめとする参謀の部屋が汽車のようにつながっている。首相の執務空間と首相が家族と過ごす官邸は別々にあり、イスラエルは2009年にこれを広い空間に移して統合するプロジェクトを推進した。しかし首相府だけ見れば現在の構造が非常状況に迅速に対応するのにより良いという指摘などがあり計画は取り消された。

ドイツ首相官邸は主要国で最も新しく建てられた指導者の執務室兼官邸だ。2001年に建てられたので1990年の統一から11年ぶりだ。規模は世界最大級で「統一ドイツ」を祝う建物というわけだ。規模もそうだが疎通の効率でも世界最高級だ。本館に首相のアパートと執務室、そして450人余りの補佐陣と秘書が働く勤務スペースがすべて集まっている。特に秘書室長室は首相執務室と同じ7階にある。6階には閣僚会議室が2つある。6階と5階には長官室がある。5階の大宴会場では首相が外国指導者と昼食や夕食を行う。首相と閣僚、参謀陣は階段やエレベーターで上がったり下がったりしながら国事を処理するのだ。

英ロンドンのダウニング街は“首相のお膝元”だ。10番地に首相室、11番地に財務長官室、12番地に公報室がある。秘書室長ら首相補佐陣は10番地に集まっている。10番地2階には閣僚会議場があるが、あまりに狭く閣僚は地下鉄の乗客のように座る。

先進国が大統領と参謀の業務スペースをくっつけておくのは土地がなかったり威勢の張り方を知らないからではない。距離が遠ければ失敗が近いという「空間の恐ろしい秘密」を知っているためだ。ところが韓国はしきりに遠ざかる。本館を新しく建て、世宗市(セジョンシ)を作って遠ざかる。空間の秘密からあとどれだけ傷を負えば考えを直すのだろうか。

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