<6・4統一地方選挙>「この局面に何の選挙だ!」 候補者名刺拒む住民
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.23 10:34
22日午後12時、京畿道安山市古桟洞(キョンギド・アンサンシ・コジャンドン)の安山文化公園。商店街が集まる安山の中心地域で、6・4地方選挙運動が始まった初日にもかかわらず選挙運動員の姿は見られなかった。出馬を知らせる横断幕6枚が掲げられただけだ。首都圏地下鉄4号線中央駅付近には、運動員はもちろん横断幕さえなかった。アパートが密集した住居地域も同じだった。安山市仙府洞(ソンブドン)のアパート団地の路面で7年間、野菜を売っているハン・スンヒさん(63)は「遊説車両が朝から何度もやってきて表情を見るだけで、拡声器を使えないでいる」と話した。
同日午後、全羅南道珍島郡珍島邑(チョルラナムド・チンドグン・チンドウプ)のある十字路。郡庁の近くであるうえ、五日市も立つ日だった。しかしこの日にここを訪れた選挙運動員はたったの4人。立候補者の名刺を配っても住民はまともに受け取らなかった。「こんな状況で何の選挙か」と話して拒む住民もいた。通行人はあきらめ、商店を訪ね歩きながら名刺を配る運動員もいた。ある郡議員選挙運動に参加したパク・ジョンソンさん(52)は「2010年には1日に名刺を500枚以上配ったものだったが、今日は午後4時を過ぎても50枚も消化できていない」と話した。
6・4地方選挙の公式選挙運動初日をむかえて全国各地では遊説車両の拡声器の音が鳴り響いたが、安山と珍島は静かな1日を送った。市民と住民は顔を合わせれば選挙でなくセウォル号の話をした。立候補者と選挙運動員は車両放送をせずに名刺だけを配った。音を出さない、いわゆる「黙言運動」だ。セヌリ党のチョ・ビンジュ安山市長候補と無所属のキム・チョルミン候補は「マイクを使う時ではない」と話し、新政治民主連合のチェ・ジョンギル候補は「遊説車両を用意しなかった」と話した。