【コラム】セウォル号悲劇を前にした“彼ら”は誰なのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.09 16:38
セウォル号事故の発生と収拾過程の内幕が1つずつ明らかになる中で、国民は茫然自失している。
沈みゆくセウォル号の船員らと通話しながら乗客の安全や危機について尋ねなかった海運会社、「乗客をどのようにすべきか」という女性乗務員の無線交信に口を閉ざした船長と航海士、家宅捜索が予定された韓国船級に情報を漏らしていた海洋警察。無責任と貪欲を今後さらに、どれだけ目撃しなければならないのかと思うと絶望的になる。
国民の痛む心を包容するリーダーシップはあまり見られない。大統領・首相そして長官たちは国民の情緒に共感できないようだ。国民ではなく国務委員の前で対国民謝罪をした大統領、遺族たちの抗議を避けて官用車内に避難し身を守った首相、体育館の床で絶叫する遺族たちを横目に儀式用の椅子に座ってカップラーメンを食べていた長官、「80人救ったらすごいことだ」という言葉を公然と放った海洋警察幹部。青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は「大統領は、謝罪表現は機会があり次第またするのではないかと思う」と言うが、遺族が期待していた謝罪は単に表現の問題だったのだろうか。何の肩書もないボランティアメンバーは、遺族たちの手を握りしめて共に涙を流しているが、大統領や首相はなぜそのようにできなかったのかと気になる。