【噴水台】セウォル号惨事のピケティ式解釈
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.02 17:20
専門用語とグラフィック、統計で満たされた700ページ近い本がアマゾンでベストセラーとなっている。フランス経済学者トマ・ピケティ教授の『21世紀の資本論』だ。韓国語翻訳書はまだ出ていないが、近くこの地でも話題になることは間違いない。決してやさしくはない政治哲学書『定義とは何か』が100万冊以上も売れる底力(?)の国ではないか。
「資本主義は自ら破壊する」というマルクスの19世紀『資本論』のにおいがする本が、資本主義の本山の米国で旋風を起こす理由は何か。おそらく新自由主義の武器であるトリクルダウン(trickle-down)効果に反論し、富の二極化が深まっていくだけだという主張のためではないかと思う。200年以上の統計資料の分析に裏付けられる主張だ。
ノーベル経済学賞の受賞者ポール・クルーグマンが「なぜ私が先にしなかったのだろうか」と悔しがるほどだ。このため片隅から崩れ落ちている現実を肌で感じている米国の中産層が不安な目でページをめくっているのだ。韓国で話題になることを疑わない理由はそのためだ。サムスンが世界1位のスマートフォンで最大収益記録行進を続ける時でも潤いを失う自分の暮らしに、自ら「新貧民層」と考えている中産層ではないのか。