【社説】朴大統領の国家安全処、本当に安全なのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.01 16:16
朴槿恵(パク・クネ)大統領が「4・16惨事」で表れた政府の対処の問題点を解決するため、新しい政府組織を構成すると明らかにした。先日の国務会議で「国家レベルの大事故の際、指揮体系に混乱が生じないよう、首相室が掌握しながら、部処間の業務を総括調整して指揮する仮称『国家安全処』を新設しようと思う」と述べた。旅客船「セウォル号」遭難事件の収拾で政府各機関が別々に動き、コントロールタワーが作動しなかったのは事実であり、この問題を解消すべきだという共感が形成されているのは正しい。
しかし国家改造論が出てくるほど根本的な手術が必要なこの懸案に対する大統領の解決法が、惨事発生から13日目に出てくるというのは、あまりにも拙速だという印象を受ける。海に沈んだセウォル号の中には、まだ政府が総力をつくして救出すべき行方不明者が90余人残っている。何より新しい部処の新設のような政府組織改編は、4・16惨事に対する総合的かつ客観的で緻密な事態把握が進んだ後、最終段階として提示されなければならない。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)を含むすべての政府部処が慌てている姿だが、朴大統領の国家安全処新設案がいかなる過程と手続き、準備を経て用意されたのか気になる。4.16惨事を通じて、私たちは政府の災難対処能力は信じることができないという残念な結論に達した。なら災難に備える新しいシステムを組む過程も、政府だけに任せることはできないという民心を、朴大統領は分からなければならない。