【コラム】韓国社会に根付く「狂ったように」からの脱出(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.01 14:04
歴史が私たちに与える教訓の中の1つが、人間は過ぎ去った歴史から何の教訓も得られないということだ。セウォル号惨事も、1995年の三豊デパート崩壊事件とそっくりだった。三豊事件の主犯は、お金に狂った悪徳企業家だった。手抜き工事や管理の怠慢は、むしろたやすいことだった。建物が崩れるという報告を聞いても「一日の売り上げ」をうんぬん言って顧客をずっと押し込めていた。これもたやすいことだった。崩壊の危険が近づくと、顧客はもちろん会社職員にさえ知らせないまま社長と幹部だけが脱出した。人の仮面をかぶっていたが、人であることを放棄した畜生のやからであった。その上、手抜き工事に目をつぶって管理・監督を疎かにする代償としてわいろを受け取った官僚もいた。
セウォル号の本当の犯人も、お金だけを好む悪徳企業家だ。船が転覆するほど貨物を載せて、古い船を買って運行しながらも「新しい船は高くて」と弁解し、事故の前兆があったのに無視をしていた企業家だ。乗客や同僚船員に知らせないまま船長と幹部だけが脱出したのも三豊と全く同じだ。安全検査を疎かにして管理・監督の責任を放棄した機関と癒着関係で汚れた官僚がいたことも。西海(ソヘ)フェリー号、聖水(ソンス)大橋、大邱(テグ)の地下鉄、マウナオーシャンリゾートの原因も同じだ。