【コラム】韓国社会の責任倫理と職業倫理を呼び覚ました“最後のひと言”(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.28 10:41
花が風に散る。まだ咲く前に、か弱い花びらが空に飛び散る。春の花のようにさわやかな17歳前後の高校生ら百数十人が、春風に花びらが散りゆくように海中へと落ちていった。T・S・エリオットの『荒地』ではなくとも、4月は私たちにとって残酷な月だ。独裁に抵抗して犠牲となった4・19(四月革命)の英霊たちのためだけではない。
1970年4月8日に臥牛(ワウ)アパートが崩れて34人が命を失った。1995年4月28日、大邱(テグ)地下鉄工事現場で都市ガスの爆発により101人が犠牲となった。土木建築や危険物管理に関する立法的・行政的体系が完備していなかった状況で明るみになった安全意識の欠如が原因だった。
そして2014年4月16日朝の珍島(チンド)近海で、修学旅行中の高校生ら470人余りを乗せて済州(チェジュ)へ向かっていたセウォル号が潮の流れが速い孟骨(メンゴル)水道で座礁する頃、25歳の新参3等航海士に操舵室を任せていた代理船長は、寝室の中にいた。「動くな」という案内放送で乗客の足が客室に止め置かれている間、船長や機関士ら船舶職の船員らは、乗客の知らぬ間に専用通路から船を脱出して一番先に救助船に上がった。