【社説】どうして大韓民国で旅客船沈没のような惨事が起きるのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.17 10:46
私たちは昨日、一日中、心を落ち着かせることができなかった。惨事が、それも国民の目の前のテレビ画面で生中継されている中で起きた。波高0.5メートルの穏やかな海、11度の水温、そして近隣に島々が見える平和な海で、旅客船「セウォル号」が半分ほど傾いていた。仁川から済州へ、ときめきながら修学旅行に行く安山檀園高の生徒を含む475人が乗ったカーフェリーだった。救助作業を見守っていた私たちは、「乗客全員救助」という最初の報道に安心した。しかし時間が過ぎるにつれて犠牲者が確認され、290余人が行方不明という情報に接することとなった。どうして後進国でも起きないような惨事が大韓民国で起きるのか。
生存者の証言を聞くと、信じがたい状況だ。清海鎮海運はセウォル号を「ゲームセンターやシャワー室まで完備した国内最大・最高のクルーズ船」と自慢した。しかし最も重要な乗客の安全は見られない。生存者によると、徐々に傾いた長さ146メートル、6852トンの巨大な船体の中は、完全にパニック状態だった。コンテナが崩れ、乗客が下敷きになり、四方から海水が流れ込む状況だが、「危険だからその場から動いてはいけない」という内容の船内放送が繰り返されたという。後に「全員海に飛び込みなさい」という避難放送で海に飛び込んで救助された生徒は「船内に閉じ込められて逃げられなかった友人と乗客が多い」と涙声で話した。