２０００万ウォンの無人機、農薬散布用ＡＮ－２機…安価な武器で意表つく（１）
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.14 16:33
先月３１日、北朝鮮は韓国側に一方的に海上射撃訓練をすると通知した後、西海（ソヘ、黄海）５島付近に向けて発砲した。このうち約１００発が西海北方限界線（ＮＬＬ）南側に落ちた。軍は北側に「射撃中断」を要求する一方、Ｆ－１６Ｋなど精鋭戦闘機を急派し、直ちに対応した。
しばらくして大韓民国をさらに驚かせることが起きた。北朝鮮が飛ばしたと推定される無人機が坡州（パジュ）、ペクリョン島で相次いで発見された。ソウルの心臓である青瓦台（チョンワデ、大統領府）の空も飛行した。北朝鮮軍を監視するための各種戦力が密集しているペクリョン島の上空も同じだ。ペクリョン島には４５００億ウォン（約４４０億円）の空中早期警戒管制機ピースアイ、１機あたり１０００億ウォンのＦ－１５ＫとＫＦ－１６の計４機が飛行中だった。５００件の標的を同時に追跡するという３０００億ウォンの誘導弾高速艦と３７０億ウォン台の対砲兵レーダー「アーチャー」も配備されていた。
坡州またはペクリョン島の無人機を見た多くの国内専門家は「最近は同好会員も使わないほどの粗悪なレベル」と品評した。核心部品のエンジンはインターネットサイトで約１００万ウォンで販売されているもので、カメラは一般人がよく使う日本製ＤＳＬＲだった。
峨山政策研究院のコ・ミョンヒョン研究委員は「発見された無人航空機１機あたりの単価は最大数千万ウォン水準とみられる半面、我々が米国から導入するグローバルホーク（Ｇｌｏｂａｌ Ｈａｗｋ）無人偵察機は１機あたり２２００億ウォンと予想される」とし「我々の強みに同等に対応するよりも、我々が容易に対応できない弱点を綿密に把握し、最低費用で果敢に攻める戦略を北が駆使した」と述べた。北朝鮮特有の“安価”非対称戦力だ。
非対称戦力。分かりやすく言えば、互いに対抗することができない、したがって相手が防御するのが極めて難しい戦力を意味する。壬辰倭乱（文禄の役）当時も朝鮮と日本はそれぞれ海軍と陸軍で優勢だった。亀甲船（海軍）と火縄銃（陸軍）という非対称戦力のためだった。
現在の南北関係では北朝鮮の核兵器が代表例だ。北朝鮮が安価な非対称戦力に力を注いだのは、南北間の経済力の差が克明になった１９８０年代という。戦車・戦艦・戦闘機などの高価な武器を購入するのでは、競争が難しいと判断したということだ。
北朝鮮の輸送機ＡＮ－２機は１９５０年代に農薬を散布するために開発された農業用飛行機だ。軍の関係者は「製作費推定自体が不可能な水準」と話すほど遅れている。しかし遅れたレベルのおかげでむしろ脅威的な戦力に変貌した。上下の翼に布のかぶせ、熱と金属材質に鋭敏なレーダーを避ける。
ＡＮ－２機は低高度で遅い速度で飛行するため、山の谷間の飛行が可能で着陸も容易だ。韓国的な地形に特化した強みがある。軍の関係者は「ＡＮ－２機は夜間に谷間などを利用し、北の特殊部隊や小型爆弾を積んで飛行できる」とし「連休など監視人材が少なくなる時、全国各地の軍ゴルフ場にバリケードを築いて備えるのもＡＮ－２機の着陸を防ぐためのもの」と明らかにした。
２０１０年の韓国哨戒艦「天安」爆沈も安価な非対称戦力にやられた事例だ。当時、北朝鮮のヨンオ級（サケ）潜水艇はＨＴ－０２Ｄ魚雷で「天安」を攻撃した。「天安」は内部搭載装備などをすべて合わせれば価格が約１４００億ウォンに達する。これに対し北朝鮮のヨンオ級潜水艇（１３０トン）の建造費は１００億ウォン前後という。海軍の関係者は「先端探知機ソナーとレーダーでも潜水艇を完全に探知するのはかなり難しい」と説明した。
延坪島（ヨンピョンド）を砲撃した長射程砲も北朝鮮の安価な非対称戦力の一つだ。核やミサイルは潜在的な脅威だが、実際に我々を打撃したのはこうした安価な非対称戦力だった。ホン・ソンミン安保政策ネットワークス代表は「韓国軍が多くの費用をかけて米国式軍事システムを取り入れ、どこにでも通用する高い先端武器を導入することに力を注ぐ間、北は韓半島（朝鮮半島）の地形に特化した低費用・高効率の非対称戦力を開発した」と指摘した。
２０００万ウォンの無人機、農薬散布用ＡＮ－２機…安価な武器で意表つく（２）
しばらくして大韓民国をさらに驚かせることが起きた。北朝鮮が飛ばしたと推定される無人機が坡州（パジュ）、ペクリョン島で相次いで発見された。ソウルの心臓である青瓦台（チョンワデ、大統領府）の空も飛行した。北朝鮮軍を監視するための各種戦力が密集しているペクリョン島の上空も同じだ。ペクリョン島には４５００億ウォン（約４４０億円）の空中早期警戒管制機ピースアイ、１機あたり１０００億ウォンのＦ－１５ＫとＫＦ－１６の計４機が飛行中だった。５００件の標的を同時に追跡するという３０００億ウォンの誘導弾高速艦と３７０億ウォン台の対砲兵レーダー「アーチャー」も配備されていた。
坡州またはペクリョン島の無人機を見た多くの国内専門家は「最近は同好会員も使わないほどの粗悪なレベル」と品評した。核心部品のエンジンはインターネットサイトで約１００万ウォンで販売されているもので、カメラは一般人がよく使う日本製ＤＳＬＲだった。
峨山政策研究院のコ・ミョンヒョン研究委員は「発見された無人航空機１機あたりの単価は最大数千万ウォン水準とみられる半面、我々が米国から導入するグローバルホーク（Ｇｌｏｂａｌ Ｈａｗｋ）無人偵察機は１機あたり２２００億ウォンと予想される」とし「我々の強みに同等に対応するよりも、我々が容易に対応できない弱点を綿密に把握し、最低費用で果敢に攻める戦略を北が駆使した」と述べた。北朝鮮特有の“安価”非対称戦力だ。
非対称戦力。分かりやすく言えば、互いに対抗することができない、したがって相手が防御するのが極めて難しい戦力を意味する。壬辰倭乱（文禄の役）当時も朝鮮と日本はそれぞれ海軍と陸軍で優勢だった。亀甲船（海軍）と火縄銃（陸軍）という非対称戦力のためだった。
現在の南北関係では北朝鮮の核兵器が代表例だ。北朝鮮が安価な非対称戦力に力を注いだのは、南北間の経済力の差が克明になった１９８０年代という。戦車・戦艦・戦闘機などの高価な武器を購入するのでは、競争が難しいと判断したということだ。
北朝鮮の輸送機ＡＮ－２機は１９５０年代に農薬を散布するために開発された農業用飛行機だ。軍の関係者は「製作費推定自体が不可能な水準」と話すほど遅れている。しかし遅れたレベルのおかげでむしろ脅威的な戦力に変貌した。上下の翼に布のかぶせ、熱と金属材質に鋭敏なレーダーを避ける。
ＡＮ－２機は低高度で遅い速度で飛行するため、山の谷間の飛行が可能で着陸も容易だ。韓国的な地形に特化した強みがある。軍の関係者は「ＡＮ－２機は夜間に谷間などを利用し、北の特殊部隊や小型爆弾を積んで飛行できる」とし「連休など監視人材が少なくなる時、全国各地の軍ゴルフ場にバリケードを築いて備えるのもＡＮ－２機の着陸を防ぐためのもの」と明らかにした。
２０１０年の韓国哨戒艦「天安」爆沈も安価な非対称戦力にやられた事例だ。当時、北朝鮮のヨンオ級（サケ）潜水艇はＨＴ－０２Ｄ魚雷で「天安」を攻撃した。「天安」は内部搭載装備などをすべて合わせれば価格が約１４００億ウォンに達する。これに対し北朝鮮のヨンオ級潜水艇（１３０トン）の建造費は１００億ウォン前後という。海軍の関係者は「先端探知機ソナーとレーダーでも潜水艇を完全に探知するのはかなり難しい」と説明した。
延坪島（ヨンピョンド）を砲撃した長射程砲も北朝鮮の安価な非対称戦力の一つだ。核やミサイルは潜在的な脅威だが、実際に我々を打撃したのはこうした安価な非対称戦力だった。ホン・ソンミン安保政策ネットワークス代表は「韓国軍が多くの費用をかけて米国式軍事システムを取り入れ、どこにでも通用する高い先端武器を導入することに力を注ぐ間、北は韓半島（朝鮮半島）の地形に特化した低費用・高効率の非対称戦力を開発した」と指摘した。
２０００万ウォンの無人機、農薬散布用ＡＮ－２機…安価な武器で意表つく（２）