【時論】工学教育の革新で「世界を救う科学者」を育てよう=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.14 13:02
国家代表陸上選手の2人の青年がいた。一人は1位になるために走り、もう一人は自分の才能を楽しむ気持ちで走った。両選手は1924年のパリオリンピック(五輪)に出場し、ともに金メダルを獲得した。男子陸上100メートルのハロルド・エイブラハムと400メートルのエリック・リデルの実話であり、1981年に公開された映画『炎のランナー』の話だ。
かなり前に見た映画だが、私はまだ主人公の顔を忘れることができない。勝利だけを目標にした選手はずっと苦しい表情を見せていたが、走ること自体を楽しんだ選手は常に歓喜に満ちていたからだ。何が違いをもたらしたのだろうか。「私たちを最後まで走らせる力はどこから出てくるのだろうか。それは心だ」というセリフから見れば、おそらく信念だったはずだ。金メダルばかり眺めて走るのと、金メダルの向こう側の価値を追求する信念の差だ。
「何のために走るのか」というメッセージを、我々の工学教育に代入してみよう。大韓民国の工科大学はその間、何のために研究してきたのか。ほとんどが世界大学評価や政府評価で上位に入ることを目標にしてきたはずだ。1位になるために走った選手のように「金メダル」のために研究してきたという意味だ。もちろん金メダル自体も十分に価値がある努力であり、低く評価するべきではない。