【コラム】日本漫画『自虐の詩』に見る人生の意味
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.03.14 11:20
初めはこの漫画が嫌いだった。「笑いと涙が共存する」というが、笑うことも泣くこともできなかった。貧しい夫婦の日常を描く4コマのエピソードが続くこの漫画の笑いポイントは主に食卓をひっくり返す夫の姿だ。職はなく、競馬場やパチンコに出入りして酒と賭博を楽しむ文無しのプー太郎、イサオ。特技は「カッとなること」だ。ご飯がまずい、ビールがぬるいと食卓をひっくり返し、マージャンをして不利になれば盤をひっくり返し、警察の態度が気にくわないと言って警察署の机をひっくり返してしまう。
夫人、幸江は疲れきっている。一日中食堂で仕事をして稼いだお金は夫の賭博に飛んで行く。家では食事の準備から夫の灰皿の待機まで全部彼女の役割だ。それでも「幸せだ」と言う。「テーブルをひっくり返す時も私が傷つかないように気を遣う」夫だから好きだという。「暴力的な夫と生きて幸せだと話す女」を描いた漫画は1996年に日本で出版された時から論争を起こした。「むかつく」から「マゾヒスト(masochist)でなければ楽しめるか」という悪評にも苦しめられた。だが、このような論議の中で漫画は大きく話題になったし、2007年に映画まで作られた。